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2011/08/06 (Sat) grief & loss

最近はまた、朝歩いて会社へ行くことにしている。

太陽もまだ灼熱ではなくて、音楽を聴きながら涼しい風に背中を押されて港の近くの会社へ向かう。


先日、近所の小学三年生りゅうが前を歩いていたので、ぼんやりと眺めながら歩いた。
子供からじょじょに少年へ変わってゆく途中の背中をぐるぐるとまわすりゅうはランドセルも背負っていなくて、
あっとおもって声をかけた。

「りゅう、夏休みねー?」
そうなのえへへと照れて答えてくれた。

8月1日に魔の質問

「宿題どうよ」
「ドリルだけ終わったよ。自由研究はこれからなの」

そう、かしこいこなんだったりゅう君は
自由研究は二個やる予定なんだって。

りゅうと、クラスメイトだったとして、私はこんなに気さくに声をかけられただろうか。無理だなー神々しくて!おねえちゃん30歳でよかったYO!

「りゅう、8月6日は何の日か知っとる?」
「うーんわかんない」
「8月9日は?」
「うーん?」
「じゃあ、8月15日は?」
「!あ!戦争が終わった日~6日もしってる。9日も~」

そう。いまさあ、放射能、放射能って言っているけれど、その昔「あんたら、死ねばいいんだ」というはっきりした悪意を持って、爆弾が投げつけられたことがあるんだよ。怖いね。怖いよね。

そんな話をりゅうとした。

りゅうは本当に大人みたいで、「でもあの戦争は日本が悪かったよ。」なんて言っていた。

悪い国の国民は、死ねばいいのになんて思われていいのかな?ねえりゅう。




私がりゅうの年ごろのころは、りゅうみたいに賢くなかったからさ。広島と長崎ではまだ戦争が続いているんじゃないかって思っていたんだよ。なんでやろね。そんなはずないのにな。
原爆ドームも、長崎の平和記念館も言ったことがあるけど、私は怖がりで駆け抜けてしまった。

そうや、小学校三年生の夏休み、8月6日が登校日で、その日学校で何の写真を見せられ、どんな映像が流されるのか知っていた私は生まれて初めて、学校をサボって、学童のトイレでしくしく泣いとったよ。







こうの史代という漫画家の
『夕凪の街、桜の国』という漫画がある。

映画にもなった有名な漫画。

これを買ったのはたぶん2008年くらいなんだけど、思うところがあって最近3週間くらい前に引越しのときまとめてあった荷物のダンボールから引っ張り出してきて読んだ。


以前読んだときと、まったく肌触りが変わっていた。



夕凪の街は、被爆して10年後のある女性の話。

彼女は言う。


「誰もあの事を言わない いまだにわけがわからないのだ

 わかっていることは「死ねばいい」と誰かに思われたということ

 思われたのに生き延びているということ」




彼女はおもう最期に。


「十年たったけど、原爆を落とした人は私を見て

 「やった!また一人殺せた」とちゃんと思うてくれとる?」





そして、桜の国は、被爆二世の話。いまだ続く差別の話です。



三週間前、わたしはこれを読んで、彼の怒りの激しさを、深く理解しました。

涙が止まらなかった。あの人は死ぬほど怒り狂っていた。


小学生のころ感じたいまだ戦争は続いているのではないかという感覚。
間違いではなかった。そう思った。






もし可能ならば、この漫画数多くの人に読んでもらいたいです。


夕凪の街桜の国夕凪の街桜の国
(2004/10/12)
こうの 史代

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りゅうを見て、小学生のころのことを具体的にたくさんたくさん思い出した。
こんなに優秀ではなかったけれど、私も確かに子供だった。
子育てとは、こんな追体験の連続なんだろう。

彼が始めて何かに出会ったときの感情で、自分の初体験の感情も思い出すのだろう。



いつか、いつか私に子供ができたらば、戦争の話を、きちんとしよう。
はだしのゲンも買い与えよう。広島にも長崎にもつれて行こう
。ひめゆりの塔も一緒にいこう。平和の礎にもいこう。
語り部のおばあがまだ生きているといいね。生きて話してくれてありがとうって言おう。

嫌がられても、嫌われても、どんなに怖く悲しくつらく、非道なことなのか伝えよう。

今の震災のことも福島のことも。ちゃんと伝えよう。


そのとき、子供は泣き叫んで嫌がるだろう。はだしのゲンなんてさわれなくなって、本棚の奥にしまって、その前にぎっしり違う本を置いて隠して、その隠すために置いた本まで嫌いになるだろう。

私もそうだったから。


でも、いつか本当のことを理解してくれる日が、来るのではないかと思う。


私のように。



そう願っている。




2011年08月06日8時15分  黙祷

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沖縄にある彫刻アトリエです。

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